六連星さんのHPのトップページにも『究極の閃光6000K』の広告が掲載されていますが、このたび日本フィリップス社発売の純正HID交換用キセノンバルブ 上と同じくSUVで同等製品で試してみます。同種の製品テスト結果は・・・動画を見てください。
はじめにお断りしておきますが、ここではレガシィ(BE/BH)のHID装着車におけるバルブ交換作業の手順についてもレポートしますが、製品同梱の取扱説明書では交換時のバルブ破損やHID特有の高圧電流に起因する感電事故防止の理由などからDIY取付は推奨していません。 レガシィでは、バルブ交換の作業手順そのものは特に難易度が高い作業ではありませんので、相応の知識と経験があり、必要工具さえあれば自分で交換も可能ですが、作業ミスが原因で故障・損傷が起きても当然何の保証もありません。 また、取付後は保安基準に適合した光軸の確認(調整)が必要です。
《アルティノン》には、「D2R」と「D2S」の2タイプがありますが、レガシィの純正HID装着車に適合するのは、「D2R」と呼ばれているタイプです。
一台分(2個)が入ったコンパクトなパッケージには、車検対応、フラッシュホワイト、色温度6000ケルビンなどと書かれています。
どうみてもDIYユーザーを対象にしたとしか思えないような、取付手順が懇切丁寧に書かれた取扱説明書と、「PHILIPS」の切り文字ステッカーが同梱されていました。
品番:85126WX
仕様:D2R
定格:85V35W
富士重工発行の新世紀LEGACY整備解説書では、HIDバルブの交換は安全上の理由ということで、ヘッドランプユニットを車体から外して行なうよう指示していますが、バルブ交換そのものはユニットを外さなくても可能です。 ということで、私は電源OFFを確認、HIDコントロールユニットへのコネクタを外した上、車体装着状態のまま交換しました。
イグニッションは事前にOFFにしてありますが、念には念を入れて車両ハーネスとHIDコントロールユニット(安定器、バラストとも呼んでいます)を結ぶケーブルコネクタを外しました
次に、防水用のバックカバーを外しますが、むやみに外せないようにカバーの下側一箇所がいじり止つきのトルクスねじ(タッピングスクリュ)で固定されているので、対応したトルクスビット(サイズT25)が必要です。
ライトユニットを取り外さない場合、殆ど手探りでビットをスクリュに挿すことになるので、おおよその場所と構造が判っていないと難しいかもしれません。
あと、外した瞬間にねじや工具を落とさないようにしないと、拾うのに苦労します。(経験者)
バルブを慎重に灯体ユニットに挿入し、リフレクターの突起とバルブ座金の切欠きが合うようにバルブ押さえでバルブをセットします 差し込む位置が正しければ、バルブから露出している青色セラミックチューブが真下の方向に来ます。 ここで特に注意しなければならないのは、バルブのガラス部分を間違っても直接手で触れたりしないことです。 手油が付着するとその部分が発熱してガラスに負荷が掛かりトラブルの原因になります。
あとは、取外しと逆の手順で、バルブコネクター、金属カバー、防水用バックカバーをセットし、トルクスねじを元通り締めて、点灯チェック、光軸の確認・調整を行います。
交換に要した時間は、両側で約10分でした。
なお、左側(ナビ側)は灯体ユニット裏側とバッテリーとの間に十分とはいえないまでも、そこそこスペースがあるので、補機類を一切外さずに作業できましたが、右側(ドライバー側)は、灯体ユニット上側にエアインテークが鎮座していて手が入りづらいのでエアインテークを一旦取り外してから作業を行ないました。
因みに、私のレガシィに純正装着されていたHIDバルブも同じフィリップス製(ドイツ製)でした。
外見上の違いは外側に露出しているセラミックチューブが純正は茶色、アルティノンは青色な程度で、他は見分けはつきません。 あと、耐熱樹脂ベースのことろにアルティノンのバルブには「NOT FOR USE IN EUROPE/USA」と印刷してありましたので、多分欧米では認証が取れていない(取れない?)のだと思われます。
純正品との違いは誰にも一目瞭然、たいへんインパクトのあるわかりやすい商品です。(笑)
とりわけ点灯直後は、右の写真のようにかなり蒼いです。
初めて点灯したときは、個人的にはちょっと蒼過ぎかなぁ・・・と思ってしまいましたが、すぐに慣れました。
点灯後暫くして安定してくると、蒼さも程よく落ち着いて、パッケージの表示どおりの「フラッシュホワイト」といった色あいになります。(写真左)
ハロゲンランプで「HID並の蒼さ・・・」などと謳っているファッション系バルブにありがちな、いかにも取付車種を選びそうな怪しげな雰囲気とは明らかに一線を画したクールな色調なので、どんなクルマにでもマッチすると思います。
路肩の白線、ガードレールやトンネル内の反射板などが蒼く反射して、車内からでも違いを堪能できます。(笑)
今まで走った限り、色温度が上がったことによって視界が確保しづらくなったとか見づらくなった印象は特にありません。
むしろセンターラインやガードレールがハッキリ見えるので実用面でも視認性は向上したと感じています。
確かにこれだけ色温度が高くなると霧や雪、大雨の中では見づらくなることも考えられますが、私の場合、市街地走行がメイン、悪天候下の郊外や山間部を走る機会など滅多にないですし、そういうときはどのみち補助灯を使ってしまうので、致命的なデメリットにはならないかと思ってます。
参考までにキセノンバルブ《アルティノン》装着車 BE5(左)とH1ハロゲンバルブ装着車 BG5(右)のレガシィ二世代を並べて比較してみました。
一昔前、ハロゲンが出たときには随分白く感じたものでしたが・・・
点灯後暫くして安定してくると、蒼さも程よく落ち着いて、パッケージの表示どおりの「フラッシュホワイト」といった色あいになります。(写真左)
ハロゲンランプで「HID並の蒼さ・・・」などと謳っているファッション系バルブにありがちな、いかにも取付車種を選びそうな怪しげな雰囲気とは明らかに一線を画したクールな色調なので、どんなクルマにでもマッチすると思います。
ひたすら蒼さだけを期待をすると、《アルティノン》ではやや物足りなく感じる方もいるかもしれません。 ただ、ファッション性だけでなく視認性、機能性を重視しつつ、純正品の色調では物足らない、さりげなく違いをアピールしたいと考えている方にとっては、バランスが取れた製品だと思います。 長寿命とはいえ、これからHIDバルブの交換需要も増えてくることと思いますが、ライン装着品のサプライメーカー直々の開発商品ということもあって、《アルティノン》は安心して装着できるバルブだと思います。
おしまいに、当レポート掲載の機会を与えてくださった六連星さんにこの場をお借りしてお礼申し上げます。>◆